ファン・クーラー複合システム:工場・倉庫向け設計ガイド
要点: ファン・クーラー併用システムは、冷やした100%の外気を供給する蒸発冷却器(エバポレーティブエアクーラー)と、その空気を空間全体にムラなく拡散するHVLS天井扇風機を組み合わせたものです。クーラーが給気の温度を下げ、7.2メートル級の扇風機が空気をすべての作業位置へ届け、熱のたまりを解消します。換気回数とカバー半径に基づいて両者を一体的に設計することで、どちらの技術単独では実現できない運転コストで、ホール全体の冷房を提供します。 工場の冷房が失敗する原因は、悪い製品を選んだことであることはまれです。失敗の多くは、異なる2つの役割を1つの技術に担わせようとしたことにあります。蒸発冷却器は冷気を作れますが、吹き出し口から届く範囲までしか空気を分配できません。大型扇風機は空気の循環に優れていますが、温度を下げることはできません。ファン・クーラー併用システムは、この2つの制約が互いを補完するために存在します。そして適切な組み合わせを実現することは、計画的に行う価値のある設計作業です。本ガイドでは、TierCoolingが併用システム案件で適用しているエンジニアリングの考え方、容量設計手法、レイアウト規則を解説します。 なぜ2つの技術は組み合わせるべきなのか まず、それぞれのユニットが得意とする役割から見ていきます。 蒸発冷却器(供給役): 外気を湿式パッド媒材に通して冷やし、給気します。TierCoolingの産業用シリーズは18,000 m³/h(RDF18、1.1 kW)から60,000 m³/h(RDF 23/26)までをカバーし、上面・側面・下面のいずれの吹出形式にも対応しています。フラッグシップはPMSM蒸発冷却器です。 HVLS天井扇風機(分配役): 7.2メートル級のブレードをゆっくり回転させ、下降気流の空気柱と床面への放射状気流を作り出し、クーラーが供給した空気をゾーン全体に循環させます。詳細はPMSMサーボHVLS天井扇風機をご覧ください。 単独では、クーラーは吹き出し口と遠い隅との間に温度勾配を残し、扇風機のみでは建屋内に既にある空気を循環させるだけです。組み合わせれば、冷気の供給と均一な空気分配が合わさり、ホールの全空間が冷房のループに参加します。 併用システムの容量設計 容量設計には、互いに整合させなければならない2つの独立した要素があります。 クーラー側:換気回数 必要な総給気風量 = 空間容積 × 目標換気回数(時間あたり)。これは熱負荷と気候条件によって決まります。ユニットの定格風量で割ることで必要台数を算出します。RDF18からRDF 26までの製品ラインアップを用いた詳細な手法は、大風量蒸発冷却器の容量設計ガイドで解説しています。 扇風機側:カバー範囲のオーバーラップ 各HVLS扇風機には固有のカバー円があり、作業床面で隣接する円がわずかに重なり、滞留帯が残らないように配置します。天井高、メザニン、ラックレイアウトによって幾何形状は変わるため、扇風機の台数は建屋の実態に基づいて決定すべきであり、経験則ではありません。 設計インプット クーラーの決定事項 扇風機の決定事項 空間容積・熱負荷 目標換気回数 → 総m³/h → 台数 屋根高・構造 → 扇風機の直径クラス 床レイアウト 吹出方向・ダクト経路 床面気流が重なる位置への配置…


